日本では考えられないことばかりでしたよ。シャワーが出ないなんて当たり前。ミネラルウォーターをかぶったり、タオルを水で濡らして身体を拭いていたりして。そのタオルも川で洗ってきたような、土のようなものがついているタオルだったりして。
― 寝るのも大変だったそうだけど。
本山と同じ部屋だったんですけど、クーラーがなくて、蚊がすごくたくさんいたんですね。暑いから換気扇を回すと、ものすごくうるさい音がするんです。止めると隙間から蚊が入ってくる。しょうがないので、スタッフから蚊取り線香をもらってつけたんですけど、日本から持っていった蚊取り線香があまり効かないんです。数匹くらいは落とせるんですけど、何十匹も生き残っていて。寝たら蚊にさされて痒くてしょうがないから、朝まで二人で寝ないでゲームをしていましたね。ジャージを頭からかぶって。ダニかなんかがいて、ベッドも痒いんですよ。そういえば、どこかの部屋にトカゲが出たって話を聞きましたね。鳴き声がするなあって探してもいないから、まあいいかって寝たらしいけど。
寝る人は多かったんだけど、俺は移動中は寝ないようにしていたんです。「なにかいないかな。動物出てこないかな」って思って、ずっと外を見ていましたね。豚くらいしかいなかったけど。
― 以前、加地選手に、便座がなかったって聞いたことがあります。
いやいや、すごかったですよ。ソガの部屋は天井のコンクリートが落ちてきたんですから。そうしたらホテルの人に「お前キーパーなんだから、パンチングしろよ」って言われていましたね。(笑)他にも面白いことがいろいろとありましたよ。
― 無事に帰国することが目標だったって選手もいたけど。
それは大袈裟でしょう? でも、俺は楽しかったし、面白かったですよ。そんなところに行ける機会なんてなかなかないじゃないですか。また行きたいなって思いますよ。
― 皇帝や国家元首の公邸にも遊びに行きました。
行きましたね。庭でライオン飼っていましたよ。庭っていうか、広い敷地内に家と大きな柵があって、その柵の中で動物を飼っているという感じでした。フェンスの向こうにライオンがいて、そのフェンスの向こうからライオンを見ていました。
― ライオンを「飼っている」というのはすごいね。
あと、移動の途中で沼に寄ったんですけど、野生のワニを馴らしている人がいたんですね。鶏に紐をつけておくとワニが食べに来るんですよ。それをガッと捕まえて「おい、しっぽ触ってみろ」って。触れない人もいたんだけど、俺は頑張って触ってみましたね。
― えっ、どんな感触だった?
固かったですね。…でも、本当に面白かったんですよ。日本じゃありえないことだらけで。あと、面白い話はあったかなあ…。
― 辛い中でも、楽しかったりしたんだ。
食事は辛かったですよ。現地のものを食べていたから。ワールドユースの本大会はコックさんがいて日本食を出してくれたんですけど、ブルキナファソの時は現地の食べ物だけだったんですね。ホテルはバイキング形式だったんですけど、肉にハエがものすごくたかっているんですよ。それを手で追い払って、なんとか皿に取って、テーブルに置きますよね。それで次のものを取りに行って帰ってくると、またハエが沢山たかっていて。米も水っぽく炊いてあって、なにかが浮いているんです。それを除けて食べたりして。すごかったですよ。…でも意外と人間って大丈夫なものですね。(笑)
― それは小笠原選手が特別に丈夫だったんじゃないの!
でも、別に具合が悪くなった人とかいなかったですからね。結局、なんだかんだ言って、みんな楽しんでいたと思いますよ。「わーっ、トカゲー!」とか言いながら。(笑)
― でも、そのご飯はきついよね。
そりゃ、ご飯はみんながダメでしたよ。でも食べるしかないじゃないですか。練習が終わったらそれしかないんだから。そりゃあキツイですよ。食べ物はキツかった。だから本大会にコックさんが来てくれて、うどんとかおにぎりとか作ってくれたのは本当に嬉しかった。基本的に飯を食べればなんとかなりますからね。
― ちなみに、グラウンドはどうだった?
意外と良かったですよ。普通に草は生えていたし。その辺のヘンなグラウンドより、全然良かったです。