永「試合のことというか…試合の前にみんなで散歩に行ったんですね。散歩だからみんな普段着で、スウェットとかを着ていたんですよ。そうしたらテニスコートでいきなりトルシエが「フォーメーションの練習をする」って言い始めて。覚えている?」 酒「思い出した」 永「それがすげえ長いの。(笑)」 酒「汗だくになっちゃったんだよね」 永「そうそう。トルシエがテニスボールを持って「これが相手だ」って動いてさ。そこにぶつかりにいったりしたでしょ?」 酒「したした」 永「すごいブーイングだったよね。汗をかく格好じゃないしさ。洗濯機がないから、普段着は自分で手洗いしなくちゃいけないんですよ」 酒「それも試合前だったしね」 永「そうそう試合前。すごく疲れてホテルに戻って、急いで食事して、急いで試合会場に行ったんだった」
― なんで水を持ってきていないんだってスタッフが怒られちゃったんでしょ?
酒「そう。でも、水を持ってくる必要はなかったんですよ。だって散歩なんだから」 永「ちょっと歩いたら、すぐ帰る予定だったんだよね」 酒「それが突然練習になっちゃったから、スタッフも慌てて水を取りに行ってたよね」 永「あったねー。それをすごく覚えてる」 酒「そういえば、決勝の日の軽食も出ませんでしたよね」 永「出なかった」 酒「決勝までは試合の3時間前に軽食でおにぎりとかが出ていたんですよ。そうしたら決勝の朝だけ突然ビスケットとかコーンフレークくらいしか出なくなっちゃったんです。なんで決勝だけ変わるのかなって言っていて」 永「突然だったよね」 酒「あれは影響があったよね」
― イングランドに今リバプールのクラウチが出ていたんだよね。覚えている?
永「えっ、そうだったんですか。覚えていないなあ」 酒「予選ですよね。いましたよ、すっごくデカイ選手。途中から出てきた」
― ポルトガルのシモンとか。
酒「いましたね。フォワードやっていた。けっこうシュートを外してくれたんですよね」 永「シモンのおかげで勝った部分もあるかもね。あと、スペインのシャヴィはよく覚えている」 酒「印象がある選手は、やっぱり今も残っていますよね」
― 同年代の世界大会で他国の選手との距離をどう感じました?
酒「予選の3試合は、思っていた以上に出来ましたよね。カメルーンは身体能力でやってくるからやりにくかったけど、日本のパス回しにはついてこられなかったし。そういう面では、日本の技術はかなり高かったと思いますね」 永「俺はとにかく暑かった。(笑)前の年からドイツに行っていたんですけど、日本の夏前からドイツに行っていたから、2年くらい夏というものを経験していなかったんですよ。まず、暑いことが辛くて、それどころじゃなかったんですね。それに…内容的にも、チャンスを相当外しているんですよね…」 酒「外しましたね…」 永「外したねえ。だから試合に出るのも辛かったんです。全然なにもできなかったし、なんでこんな暑いところでやるんだよ…って思いながら」
― チームとしてはどうでした? 永「俺以外はみんなすごい選手でしたよ」 酒「いやいやいや(笑)」 永「フランス合宿で突然呼ばれて、ドイツから参加したんですね。伸二は知っていたけど、他の選手のプレーをじっくり見たことはなかったから、合流して他の選手を見て、みんな上手いなあって思っていたんですよ。そうしたら、大会でもみんなは相手より全然レベルが高かった。俺、場違いだなあって思いながらやっていましたよ」
― そうは言っても、チームワークが良かったんでしょ? 全員が集まってリラックスルームでGTO見ていたって話だよ?
酒「他にやることがなかったからですよ!(笑)」
― えっ! 南がこんなにチームがまとまったことはないって感動していたけど…。
永「あいつ、ポジティブだね!(笑)」 酒「だって本当にやることがなかったんですよ」 永「GTOを…3回も見たんですよ?」 酒「GTOしかビデオがなかったから、それだけをずーっと見ていたんです」
― これって聞かない方が良かった?(笑)
永「せっかく南がいい話をしてくれたのにね!」(笑)
― 他に楽しいエピソードはある?
永「アフリカ遠征で一番良かった記憶があって、俺ブルキナで20歳の誕生日を迎えているんですけど、それをみんなが祝ってくれたということですね。ただ、そのケーキがすごくまずかったんだけど!(笑)」 酒「サッカーボールで出来ているやつだっけ?」 永「サッカーボール? そりゃないだろ! 食えないじゃん。(笑)」 酒「違うって。本当だって。あったって。…それって四角いケーキでした?」 永「四角いケーキ」 酒「ああ、四角いやつか…」 永「四角くて、なんか黄緑色のやつ」 酒「そうそう、砂糖菓子みたいなケーキですよね」 永「これは永井のものなんだからちゃんと食え…って言われても、そんなに食べられないから、みんなの分を切り分けても、誰も手をつけないし。(笑)」 酒「でも、どこかでなかったですか? サッカーボールの周りに生クリームだけ塗ってあるやつ。絶対ありましたよ。こんなの食えねーよ、みたいな。(笑)」 永「それってなんの時?」 酒「誰かの誕生日だったと思う」 永「あったとしたらナイジェリアじゃない? ブルキナでは俺しかいなかったもん。誕生日だったやつ」
― でもサッカーボールってケーキじゃないよね。
永「罰ゲームだったんじゃない?(笑)」