J開幕当初のように、常に満員のスタジアムでプレーすることは全選手の希望でもあり、サッカー界が望んでいる理想の姿でもある。そこで、そんな理想に近づけるための「サッカー人気向上案」を、全チームに訪問して選手側からの視点で自由に語ってもらった。どんなアイディアが出るのか、ご期待ください。
― サッカーの人気を上げていくためには、どんなことが必要になるでしょうか。
平岡 ゴール裏に座っている熱狂的なサポーターの方たちは毎回試合に足を運んでくれると思うんですが、メインに座っている人は、その時の都合によって「今日は行ってみようかな」って人たちだが多いと思うんです。そんなお客さんたちを固定にするには、アグレッシブで面白い試合を見せられれば一番いいとは思うんですけど、スタジアム自体をレッズやエスパルスのような雰囲気にする演出も必要だと思います。その演出次第で次にも行こうという気持ちを持ってくれるのではないでしょうか。
西村 選手側からすれば、面白い試合を見せればいい、ということがありますけど、スタジアムに足を運んでもらうという観点からすれば、スタジアムという場が楽しいところじゃないといけないと思います。大宮公園サッカー場の雰囲気自体はいいんですよね。ハコは小さいですけど。あれだけグラウンドに近いと一体感がありますからね。今年の冬までには完成するので、雰囲気はもっともっと良くなると思います。あとはフロントもいろいろと考えてくれていると思いますが、エンターテインメントとしてサポーターの人たちにもっと楽しんでもらえるようなイベントがあればいいように思います。それから、僕が前に所属していたレッズでは、練習場の観覧スペースに椅子を作ってあったり、屋根があったりして、ファンのことを考えているんですよね。大宮でもそういう整備をしていけるといいのではないかと思います。
平岡 確かにエンターテインメント性というのが大切で、Jリーグ元年にはすごいお金をかけてやってきたのですが、予算が少なくなってきたためにそこが欠けてきているという部分はありますよね。試合前から閉場まで、ハーフタイムショーだけではなく、ひとつのショーとしての流れを作るといいと思いますよね。各チームいろいろとやっているとは思うんですけど、子どもたちが楽しめるようなことが必要ですよね。前にエスパルスがやっていたんですが、試合が勝利で終わった瞬間に花火がバンバンとあがったんですね。あれいいよねってチームの人とも話していたんですが、そんなエンターテインメント性が高いものを提供するといいんじゃないかって思います。
― エンターテインメントという側面で考えると、ファミリーが同じ金額を使うのであれば、遊園地なのか、水族館なのか、野球なのか、サッカーなのかっていう選択肢を考えてしまうわけですからね。
平岡 僕が引退して、同じお金を出して遊園地とサッカーのどちらにお金を使うかというと…
西村 考えてしまう…
― どっちですか?
平岡 いや、もちろんサッカーですよ!(笑)でも、僕だってそういうことをふと考えてしまうわけですから、サッカーに携わっていない人たちをスタジアムに誘うためには、遊園地と遜色ないくらいの楽しみがそこには待っていないといけませんよね。
― 一般の方たちに伝えていくメディアの重要性もあると思うんですが、インターンシップでプロダクションの経験をされた西村選手はどう思いますか。
西村 いやはは!(笑)現役の選手がバラエティ番組などで、内側の視点からサッカーの面白さを伝えていくのは大事だと思います。本当にテレビの影響力ってすごくて、スーパーサッカーで少し取り上げられたり、ちょっと映像に出ただけで、連絡をとっていなかった昔の友人が試合を見に来てくれたりするんですよね。みんなテレビは見てくれているんです。露出は大事なんですよね。
平岡 もちろん、メディアに取り上げられることは宣伝効果に繋がることなので、大切なことだと思います。ただ、どうしても、サッカー全体の露出が、野球に比較すると少ないですよね。だいいち、野球はバッターボックスに立てば一人一人アップになりますよね。名前が出て、顔がアップになって。
西村 それはでかいですよね。
平岡 でもサッカーは常に動いているから、そんなチャンスもないですし。そうなるとスーパーサッカーやスポーツニュースで取り上げてもらって名前が知ってもらわないと、個人の人気はあがっていきません。そういう意味ではメディアの力に支えられていると思います。
― お二人とも喋る力を持っているから、メディアも使いやすいのではないでしょうか。
平岡 それも個性ですよね。個性というのは目にとまりやすいですし、使いやすくもあります。例えば、髪型ひとつとっても、金髪にしただけで、ぐっと個性が強くなります。僕、選手名鑑でシチサンの髪型で出たんですが、それはすごくインパクトがあったんですよ。
― それはありますよね!
平岡 一歩間違えたら、ちょっと勘違いです。そこが難しいところです。個性はうまくいく場合といかない場合があるんですよね。(笑)まったく知らないサラリーマンの方が僕のシチサンを見てファンになってくれたんです。そして練習を見に来てくれた時に僕がシチサンじゃなかったので、がっかりしてしまって。
西村 本当ですか?
平岡 シチサンを馬鹿にしないでください、って。
西村 へーっ。
平岡 中にはそんなこともあるんです。インパクトは与えられましたが、それを裏目にでてしまうケースもあります。そこは難しいところです。
西村 髪型は僕もいつも意識しているんですよね。
平岡 選手名鑑に全員でシチサンにして出ようって提案したんですよ。大宮だけみんなシチサンだったら面白いでしょう?
西村 ありましたねー。みんなでやっていたら、それはそれで面白いと思いますけどね。
平岡 そういう…注目されるってことを考えることも必要だってことです。
西村 みんながそういうことにもっと必死になってもいいですよね。
― 注目されれば、個人の価値もあがり、それが収入にも繋がる図式が出来ていますからね。
平岡 ただ、勘違いされない程度の注目を目指すことが大切ですよね。
― ありがとうございました。 |