― 熊本に来たからこそ気づいたこと、わかったこと、はありましたか?
朝比奈
「今年初めて出来たチームで、初めての選手が一緒のフィールドでやる。言うのは簡単だけど、それはなかなか大変だったんです。プロ経験者もいるし、大学を卒業したばかりの選手もいる。いろいろな考えがみんなにあって。その調和が難しかった。僕は今年キャプテンをやらせてもらったんですが、最初はずいぶんきつい言い方をしてしまったんですね。自分の基準で要求していたんだけれど、プロ経験者とそうじゃない選手たちとの違いがあるんですよね。言い方って言えばいいのかな…」
福王
「当初、プロ経験のない選手たちが、伸さんたちが指示や要求したことに対して、文句だととらえる選手が多かったんです。指示や要求に対して、言い返す選手もいたんですよ。僕らから見ても、伸さんがそのことで随分悩んでいたのがわかるくらいに。でも今は、それが文句じゃなくて要求だってことを理解してもらえるようになってきて」
朝比奈
「うん、わかるようになってきたよね。僕はディフェンスラインにいるからよく見えるんですよね。それは言わなければいけないですし。大事なポイントってあるじゃないですか。ここは絶対に当たり負けしない。負けたとしても、ファウルしてでも必ず止める。そういう細かいところにもっとこだわって欲しいなあって」
福王
「自分の責任の差というんですかね。ガンバやセレッソでは、プロだから、言わなくても出来ていることなんですよね。はじめの頃はそれでイライラしてしまうこともあったんです。でも、僕も要求することはしますけど、もっと自分のプレーで示していけたらって思うようになりました。それで僕も一皮むけたというか。要求するんだから自分もやれよ、って言われないように、自分に厳しくなって。それがいい成長の機会になっていると思います」
朝比奈
「僕自身もいい経験になっていますよね。若い選手に「こうした方がいいよ」って教える立場にいますので。それがすんなりと伝わるように「伝える」ということをしっかり考えて話をしなければならないですからね」
― さて最後に、これからロッソでのキャリアを含めて、ご自身としての目標を教えてください。
朝比奈
「僕の場合、今はサッカーだけをしていればいいということではないんですよね。サッカーを続けながら、将来のことも考える。指導者としてのことも考えながらプレーすれば、サッカー観もまた変わるよ、って監督からも言われているんですけど、なかなか出来ない状態です。今はまだサッカーにガーッっと集中したい。将来のことも考えなければいけないって頭の中ではわかっているけど、出来ていない。だから、ゆっくり指導者へのことを考えながら、なんとかしてこのチームを昇格させようということでしょうか。監督も言っているんです。みんなでやろう、盛り上げようって。県民みんなでこのチームを上にあげようって。それが目標ですかね」
福王
「僕はまだ21歳なので、Jリーグに戻れるチャンスはまだあると思っているんです。だから、この何年かが勝負です。若い時だからこそ、しっかりやらなければいけないということもわかっています。2年後、本当にこのチームでJリーグに上がれたらその時は23歳です。大卒1年目くらいの年ですよね。そのチャンスはまだあると思っています。他にも、いつ誰が見てくれているかわからないですから、試合や練習をしっかりやっていきたいと思っています。Jに戻れる可能性だけは自分で消さないように。それだけはしっかりやっていけるように。意志をしっかり強く持たなければやっていけないと思います。もちろん、このチームで上がれるのが一番いいです。…行く宛のない僕を拾ってくれたチームですから。ちょっとでもチームに恩返しというか、貢献できるようにしたいと思っています。全部含めて、今一番の目標はJリーグに戻るということ。それだけですね」
― チームとしてだけではなく、個人としてJを目指すというのは、自分の中のハードルを常に高く設定しなければいけないですね。
福王
「うちのチームでは僕は若い方なので、上の選手たちも多いんですね。そういう選手たちの話をしっかり聞いてやっていこうと思っています。常に止まらないように。前へ前へ。僕の中では絶対にJに帰れると思っていますので。そういう意味ではいろいろな人の話とか聞きながらやっていければと思っています」
― ご協力ありがとうございました。
【取材・構成】 SHAPE 豊田 英夫 |