― 5泊6日の指導者講習会を終えたご感想を。
船越 とにかくしんどかったです。こんなに身体を動かすとは思っていなかったから。いい意味で、オフの自主トレにはなったかな、と。
三田 僕も同じで、デモンストレーションくらいかなと思っていたのですが、ゲームとか1対1とか本気でやりましたからね。やっているとそのうち真剣になってきちゃいますし。ここまでやるとは、本当に思わなかったです。
都築 フィールドの練習が多くて、俺自身、普段は動かさないような筋肉まで動かしてしまったので、この二人から比べても疲れたと思います。まあ、でも、いい自主練になったなと思います。
― どんなところが難しかったでしたか? みんな言葉で伝えることが難しいって話していますが。
船越 自分では体験的にわかっていることを、相手に言葉で理解させることが、こんなに難しいとは思ってもみなかったですし、ましてや、子どもなのでどんな言葉で伝えるかを考えるのは難しかったですね。子どもはプレー自体も上手いで注意するところも少ないし。
都築 うん、上手いよねえ。
船越 だから、俺が教えることはなかった。
(※指導実践対象の生徒はジュビロ磐田のジュニアユースチーム)
都築 確かにさっきも船越さんが言っていた、「自分ではわかっていることを上手く伝える」というのが難しいですよね。もっとサッカーを違った観点から見なくちゃいけないのかなって。
三田 まったく同じです。以下同文って感じです。(笑)
― 子どもを相手に初めて指導実践をしたわけですが、どんなことを最初にやろうとプランしていましたか?
船越 要点を自分の中で整理して話さないと相手もわからないので、まず自分で要点を理解することです。「ボールを意識する」としたら、そこにフォーカスするようにして、集中して。いろいろなことを注意しはじめたらキリがないんですよ。だから、自分でしっかり理解して、指導するということを一番考えて取り組みました。
都築 俺はあまり難しく考えずに、楽しくサッカーをしてもらうためにはどうしたらいいかを考えて取り組みました。C級からB級に上がっていく過程でも、いろいろと覚えると思いますが、それをそのまま出すのではなく、基本のことだけ頭にいれて、そこから自分の色を出していけるようなコーチになりたいと思っているんですよね。そういう持論のようなものがあるので、まずはみんなに楽しくサッカーをしてもらおうと思ってやりましたね。
― ということは、都築さんは本格的に指導者への道を考えているのでしょうか?
都築 どこまで資格を取ろうかとはまだ特に考えていませんし、昔はサッカー関係に残るつもりはなかったんですが、この年齢になってから、キーパーの専門コーチになりたいという目標が出来たんですよ。そういう意味では、俺なりに(笑)、真面目にやろうと思っています。ライセンスは取っていきたいし、指導者にもなりたい。でも、監督ではなくて、キーパーコーチがいいんですよ。もっとレベルを上げるためには、キーパーを教えるにも周りの状況もわからなければいけないと思うので、今回のC級もB級に行ったとしても、勉強にはなると思う。
― 三田さんはどうでしたか?
三田 僕も、どうやったら楽しくサッカーをやってもらえるか、また明日サッカーを楽しくやりたいなって思ってもらえるように考えてやりました。
船越 えーっ、それはうそやん。(笑)自分が指導することで精一杯やったよ。俺はね。
三田 サッカーをして「怒られたから、もうやだ」というのではなくて、ゲームを楽しくやっていてもなにかひとつテーマを与えようと思ってやっていましたよ。
船越 それは外向けの発言だろ?(笑)
都築 俺は外向けだけどね。(笑)
三田 そんなことないですよー! もうしゃべれなくなっちゃうじゃないですか!(笑)
都築 でもね、ガチガチにやるよりは、楽しくやらせた方がいいと思うんですよ。
船越 そりゃそうだけど、実際に指導実践の前に「楽しくやらせよう」って考えられた? 俺はそれどころじゃなかったよ。
三田 そりゃあ僕もいっぱいいっぱいでしたけど、必死にやらせるよりかは、笑顔が出る方がいいですもん。
都築 笑え! ってわけじゃないけどね。
三田 なにか、みんなが喜べるようなテーマができるといいなって。
都築 うんうんうん。
船越 そう考えて実際にやれていたんやったら、お前たちはすごい。俺にはそんなに余裕がなかったよ。
三田 僕も余裕がなかったですよ。それに、それを実行できるのかどうかはまた別なんですけどね。(笑)
船越 でも、それを考えていたというのは、本当に二人ともすごいよ。
都築 俺は自分のゲームの時はみんな楽しんでやってくれたと思うとりますからね。(笑)だから、B級ください。
― えっ、そっちですかっ!(笑)
船越 でもさ、楽しさっていうのは、年齢ごとに変わっていくんだよな。小さい頃は団子になって、ボールを蹴って、わーっ、入ったーっというのが楽しかった。年齢が経つにつれて、しっかりしたグラウンドがあって、ルールがあって、その中で攻防によって楽しさが生まれるようになったよね。草サッカーをしても楽しいけど、Jリーグの試合に出て勝った方がもっと楽しい。俺はそういうきちんとした形の中での勝利の楽しさを追及していきたいんだよね。
都築 それはそれでわかるけど、それは俺の主義じゃないんですよね。講習会で習った、ホワイトボード上のサッカーや技術の教え方というのは点数で言えば、確かに100点満点だと思う。でも、俺はもっと自由にやらせてあげたい気持ちがすごく強いんですよ。
来週に続く >>
【取材・構成】 SHAPE 豊田 英夫 |